伝言競走
今週のお題「運動会とスポーツの秋」
おれが小学生だったころ、運動会で、伝言ゲームを取り入れた競走が、行われた
事がある。例えばこんな風だ。「ザク四機、急速接近中、内一台は通常の三倍のス
ピードです」とか「かよわきものの悲しみが、俺を呼ぶ。この世紀末にお前たちの生
きる場所はない」とか「社会の隅っこのドッカ狭い場所に挟まって、雨とか埃とかを
口にして、何とかその日を凌いでいます」とか「えーん、また、ジャイOンにいじめ
られちゃったよー何とかしてよーどOえもーんー」みたいな、アニメのキャラの
せりふが多かったけれど、何だか良く分らないのもあったなあ。社会の隅っこなん
たらって言うのは、そう言うのが口癖みたくなってる先生がいて、その冷やかし
パロディか、何かのつもりだったのかもしれない。まあ、小学生の考える事だから、
だいたい、こんなものだ。
中には、呪いのナントカみたいな変な呪文もあって、そういうのは女子専門だった。
男子には絶対教えてくれなかった。で、その呪いのナントカを間違えずに最後まで
伝言できると、望みがかなう、とか。『バーOデイ』みたいな占い系雑誌読んでる
女子とか、すげー張り切っていたように記憶してるぜ。
ものすごく、楽しみにしてたんだよなあ。男子も、当時アニメの台詞とか、人気
あったから。
で、その日の開会式のとき、男子代表と女子代表が「選手宣誓」を述べてから、二人
で手を重ねて勢い良くこう言ったんだ。
「バルス!!」
小学校、消滅した。