アオイホノオと「ゆるい就職」

トピック「ゆるい就職」について

アオイホノオが終わりました。最終回で漫画家になったモユルの姿を見れば労働量と労働者の「分配」の関係に気づくか、と思います。この場合マクロな視点で、一つの社会共同体=経済圏・商圏の中での「労働量の総和」を数万人いる「総労働者」でどのように、「分配」するのか、と考えてください。モユルの職業、漫画家で言えば、10%の売れている漫画家が、90%の漫画執筆の仕事を担当するので、「キツイ仕事」をすることになります。で、残り90%の漫画家が、残り10%の仕事を取り合って、なんとか「食うや食わずの仕事と収入」を得ることになります。

 

これは、社会全体にも当てはまり、20対80のパレートの法則で考えてもいいでしょう。20%の大企業サラリーマンがサービス残業をこなしながら、高い収入を得ている。つまり、仕事量と収入の点では、全体の80%くらいのパイの取り分を分け合っている。80%のその他の人たちが、少ない収入で残り20%の仕事のパイを分け合っている。前者は「キツイ働き方」、後者は「ユルイ働き方」です。

 

中間はないのか、というと、いわゆるニッチマーケットを自分で探すしかありません。漫画家に例えると、ホラー専門誌に連載を持って、月間32ページから48ページくらいを描き、収入は印税を含め、税引き後で年収350万円前後。アシスタントは雇えないので自分一人で描いている。キツイとユルイの中間くらいの漫画家です。しかし、ニッチマーケットは、その絶対数が少ないので「早い者勝ち」の世界で、同時に実力至上主義です。これはこれで「別の意味で」キツイかもしれません。

要するに

1.キツイ・・・メジャー(高収入だが、仕事量が多くキツイ)

2.ユルイ・・・マイナー(仕事量が少なくユルイけど、貧乏)

3.ニッチ・・・一部のジャンルに特化する(収入も仕事量もまあまあだが、マーケットを見つけるためには、常にアンテナを張っていなくてはならない。また、マーケット自体の寿命も短めである)

こんなところですか。

 

このテーマについては、また書くかもしれません。