書評『時は乱れて』ディック・・#2
書評の続きです。作者のディックは1982年に逝去しましたが、早くして
世を去った人物です。映画化された作品が有名ですが、生前は作品が余りにも
個性的過ぎて売れなかった。SFファンの間では有名な作家なのに、一般的には
そうでもなかった。本人は出来れば純文学の方に行きたかったのに、自分独自の
世界を描いた哲学小説を書くようになってしまったので、晩年はもっと売れな
かった。そんな人物です。前後しますが、1928年生まれ。昭和3年生まれなので
日本の小松左京より少し年上、まあ同世代と言っても良いかも知れません。
インテリです。大学はUCバークレイで中退しています。バークレイ中退という
事では、小飼弾氏の先輩にあたります。ディックもカリフォルニアに住み続けて
いました。とにかく色々あった人生ですが、彼にとっては『時は乱れて』は
長編SFとしては第一作でした。それまでは、短編SFばかり大量に書いていた
人です。最後に映画化された作品で有名なものを・・・。
『ブレードランナー』・・・原作『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』
『トータルリコール』・・・原作『模造記憶』
『スクリーマー』・・・原作『変種第二号』
『アジャストメント』・・・原作『調整局』他